MA/PAシリーズは日常的な使いやすさを追求したユーザーインターフェースを持ち合わせています。使用頻度の高いアウトプットボリュームのノブを目立たせ、それ以外の操作子を目立たなくさせることで、視認性と操作性を高め、普段の使い勝手を良くするよう配慮しました。
さらに、コンピューターによる複雑な設定が一切不要のため、素早いセットアップ後は、機器に詳しくない方でも簡単な操作でお望みの音空間を演出することができます。
MA2120、MA2030aは、ヤマハの最新のDSP技術を活かしたデジタル機能を兼ね備えています。アナウンスの際にBGM音量を自動で下げるダッカー、入力信号の変化を検知し出力レベルが一定になるよう補正するレべラー機能がBGM環境を最適化します。
またマイク使用時に起こりがちなハウリングを最小限に抑えるフィードバックサプレッサーや、マイクの音量を一定にそろえるコンプレッサー*、加えてエコー、リバーブ*機能を搭載。さらに、マイク入力に自動制御のノイズゲートを搭載しているため、よりクリアな拡声を実現します。(*MA2120のみ)
MA/PAシリーズは、機器の心臓部にエネルギー効率の高いClass-Dアンプを採用し、小規模設備に必要なパワーを確保しながらも、駆動時の消費電力を抑えるグリーンな設計を実現しました。ライブSRや劇場向けのフラグシップモデルと同等の高信頼性の保護機能を電源部とアンプ部の両方に搭載、本体に過剰な負荷がかかった場合に機器本体とスピーカー等の接続機器の破損を防ぐよう設計されています。
また、静粛性や耐久性、機器本体のメンテナンス性に大きく寄与する冷却ファンレス設計を採用しています。
高効率・省エネルギーを実現したMA/PAシリーズ4モデルは、ヤマハが独自に制定するヤマハエコプロダクツ(*1)にも認定されています。
MA/PAシリーズは、ローインピーダンス接続とハイインピーダンス接続のどちらにも対応しています。MA2030aおよびPA2030aのアンプ出力は、ローインピーダンス接続(3Ω/4Ω/8Ωモード)では30W x 2ch、ハイインピーダンス接続(70系/100系)では60W x 1chで、小規模設備に最適な出力を備えています。
同様にMA2120およびPA2120はローインピーダンス接続4Ωモードでは120W x 2ch、3Ω/8Ωモードでは100W x 2ch、ハイインピーダンス接続(70系/100系)では120W x 2chまたは100W x1chの出力を誇り、より規模の大きな設備にも対応します。
MA/PAシリーズにヤマハ商業空間用スピーカー(*)を接続し、用途に合わせた柔軟な音響設計をすることが可能です。例えば図のように、MA2120、PA2120の場合、アンプ1台に対してフルレンジスピーカーをハイインピーダンス接続、サブウーファーをローインピーダンスで同時に接続することが可能です。出力が1系統のMA2030a、PA2030aの場合、2台を組み合わせることで同様にシステムを構築することが可能です。
ミキシング機能を持つMA2120, MA2030aは幅広い用途に対応するため、多様な入力端子を装備しています。
MA2030aは、2つのマイク入力(XLRコンボジャック、ユーロブロック端子)、3つのステレオ入力(ステレオミニフォンジャック、ステレオRCA端子)が接続可能です。特にフロントパネルに配したXLRコンボジャックは、急なイベントでの司会やスピーチ用途に便利です。
MA2120は、6つのマイク/ライン入力(ユーロブロック端子、RCA端子)と2つのステレオ入力(ステレオRCA端子、ステレオミニフォンジャック)を搭載。なお接続機器が増えた場合には、Input5、6をMONO SUM2系統として使用することができ、様々なアプリケーションに対応します。
MA2120およびMA2030aはステレオソースEQ(BASS/TREBLE)を装備しており、入力信号の低域と高域のレベルを調整することができます。このソースEQは、倍音を付加することでより効果を強調するエンハンサー機能*が搭載されており、リッチな音質で音楽再生することを可能にします。またMA2120は各出力系統にそれぞれ出力EQ(BASS/TREBLE)を装備しています。
また、MA/PAシリーズはヤマハ商業空間用スピーカーをそれぞれ最適にドライブできるスピーカーEQを搭載しています。機器のリア側のDIPスイッチを選択することで、MA2030aの場合VXCシリーズおよびVXSシリーズに合わせたEQおよびHPF(150Hz)、PA2030a、MA2120、PA2120の場合はさらにサブウーファーVXSシリーズSモデル用のスピーカーEQおよびLPF(150Hz, 200Hz)が選択可能です。
MA/PAシリーズを使って、複数のエリアの音源・音量を個別に制御することが可能です(ゾーニング)。例えばアパレル店舗の1Fと2F、レストランのテーブル席とバーカウンターなど、エリアごとに最適なBGM・アナウンスを最適な音量で届け理想的な空間演出を実現します。
MA2120には2つの出力系統があるため、1台で2つのエリアのゾーニングが可能です。(System Example 4, 5をご参照ください。)エリアごとの音量制御はもちろん、本体背面のROUTEスイッチを選択することで各チャンネルの入力を出力Aのみ、出力Bのみ、または出力A、Bの両方に配信することができます。2つのエリアの音量を合わせたい場合、背面側のDIPスイッチを設定することで出力Aと出力Bをリンクさせることも可能です。またLINE OUT端子にPA2120またはPA2030aを接続し、システムを拡張することも可能です。
MA2030aの場合、LINE OUT端子にPA2030aを接続することでサービスエリアを拡張し音量を個別に制御することができます。例えば右の図のようにカフェのBGMを、店内は小音量で、屋外のテラス席は中音量で流すことができます。
別売のコントローラーパネルDCPシリーズ(*)を接続することで、ボリュームやマイクON/OFFのリモートコントロールが行えます。マイクON/OFF時にMA2120, MA2030aに内蔵されている呼び出しチャイムを鳴らすこともできます。
主な仕様 | MA2120 | PA2030a | |
---|---|---|---|
出力(1kHz, 20msバースト, THD+N = 1%, CEA2006準拠) | 3Ω | 100W x 2 | 30W x 2 |
4Ω | 120W x 2 | 30W x 2 | |
8Ω | 100W x 2 | 30W x 2 | |
出力(ハイインピーダンス) | 100Vライン | 120W x 2 or 200W x 1 | 60W x 1 |
70Vライン | 120W x 2 or 200W x 1 | 60W x 1 | |
全高調波歪率 | ≤0.2% (ライン入力からスピーカー出力, Half power @1kHz, 3Ω/4Ω/8Ω), ≤0.2% (ライン入力からスピーカー出力, Half Power @1kHz, 70V/100V, 120W/200W) | ≤ 0.1% (ライン入力からスピーカー出力 @1kHz, Half power, 3Ω/4Ω/8Ω), ≤ 0.2% (ライン入力からスピーカー出力 @1kHz, Half power, 70V/100V) | |
周波数特性 | 0dB, -2.5dB, +1.0dB (ライン入力からライン出力, 20Hz to 20kHz), 0dB, -3.0dB, +1.0dB (ライン入力からスピーカー出力, 50Hz to 20kHz, 1W, 3Ω/4Ω/8Ω), 0dB, -3.0dB, +1.0dB (ライン入力からスピーカー出力, 90Hz to 20kHz, 1W, 70V/100V, 120W/200W) | 0dB, -3.0dB, +1.0dB (ライン入力からスピーカー出力, 50Hz to 20kHz, 1W, 3Ω/4Ω/8Ω), 0dB, -3.0dB, +1.0dB (ライン入力からスピーカー出力, 90Hz to 20kHz, 1W, 70V/100V) | |
クロストーク | ≤ -70dB(マイク/ライン入力と他のマイク/ライン入力) | - | |
入出力コネクター | マイク/ライン入力 | Input 1-6: 3.5mm ユーロブロック端子(6-pin, バランス)x3 | - |
マイク入力 | - | - | |
ライン入力 | Input 7-8: ステレオRCA端子(アンバランス)x2, Input 8: 3.5mm ステレオミニフォンジャック(アンバランス), Input 5-6: RCA端子(モノサム, アンバランス)x4 | LINE IN: ステレオRCA端子(アンバランス), 3.5mm ユーロブロック端子(3-pin, バランス)x2 | |
スピーカー出力 | バリアストリップ端子 x2ペア | バリアストリップ端子 x2ペア | |
ライン出力 | LINE OUT: RCA端子 x2(アンバランス) | - | |
コントロール端子 | RJ-45(DCP1V4S-US, DCP4S-US, DCP4V4S-US), Remote(3.5mm ユーロブロック端子 3-pin) | - | |
入力感度 | Mic input: -56dBu / Line input(アンバランス): -30dBV / Line input(バランス): -24dBu | Line input(アンバランス): -10dBV / Line input(バランス): +4dBu | |
最大入力レベル | Mic input: -8dBu(最大ノンクリップレベル)/ Line input(アンバランス): +10dBV(最大ノンクリップレベル)/ Line input(バランス): +24dBu(最大ノンクリップレベル) | Line input(アンバランス): +10dBV(最大ノンクリップレベル)/ Line input(バランス): +24dBu(最大ノンクリップレベル) | |
出力レベル | 定格 | -10dBV(ライン出力) | - |
保護回路 | 負荷保護 | 電源スイッチON/OFF: 出力ミュート*, 出力過電圧: 出力制限*, 直流検出: シャットダウン(*自動復帰機能付) | 電源スイッチON/OFF: 出力ミュート*, 出力過電圧: 出力制限*, 直流検出: シャットダウン(*自動復帰機能付) |
アンプ部 | 過熱: 出力制限*→出力ミュート*→シャットダウン, 過電流: 出力ミュート*, 積算電力: 出力制限*(*自動復帰機能付) | 過熱: 出力制限*→出力ミュート*→シャットダウン, 過電流: 出力ミュート*, 積算電力: 出力制限*(*自動復帰機能付) | |
電源部 | 過熱: シャットダウン, 過電圧: シャットダウン, 過電流: 出力制限*→シャットダウン(*自動復帰機能付) | 過熱: シャットダウン, 過電圧: シャットダウン, 過電流: シャットダウン | |
省エネ機能 | オートスタンバイモード搭載(入力が25分間以上感知されないと自動でスタンバイ状態に切替)*1 | - | |
アンプ駆動方式 | Class D | Class D | |
冷却方式 | 自然空冷 | 自然空冷 | |
電源電圧 | AC100V, 50/60Hz | AC100V, 50/60Hz | |
消費電力 | 60W @4Ω(1/8出力, AC100V, 全チャンネル駆動時, ピンクノイズ) | 30W @3Ω(1/8出力, AC100V, 全チャンネル駆動時, ピンクノイズ) | |
動作温度 | 0 ~ 40℃ | 0 ~ 40℃ | |
保管温度 | -20 ~ 60℃ | -20 ~ 60℃ | |
寸法 | 幅 | 480mm *2 | 215mm *3 |
高さ | 45mm *2 | 54mm *3 | |
奥行き | 379mm *2 | 288mm *3 | |
質量 | 4.9kg | 1.8kg | |
同梱品 | AC power cable, 3.5mm Euroblock plug (6-pin) x3, Euroblock pulg (3-pin) x1, Owner's manual, Setup guide | AC power cable, 3.5mm Euroblock plug (3-pin) x2, Owner’s manual, Specification sheet | |
オプション(別売品) | デジタルコントロールパネル「DCP1V4S-US」「DCP4S-US」「DCP4V4S-US」 | ラックマウント金具「RKH1」 | |
その他 | ラックマウント条件: 機器の上下部に1U分の通風スペースを確保(詳細は取扱説明書をご確認ください) | ラックマウント条件: 機器の上下部に1U分の通風スペースを確保(詳細は取扱説明書をご確認ください) |